DF−DarkFlame−-第三章-−12page






 彼女は先ほどから携帯電話を手で弄びながら通話履歴を何度も確認していた。
 だが、確認するまでもなく1名から定時連絡が入っていないには分かっていた。

 簡単にくたばるタマじゃないはずだけどね。

 自らの意思で接触を断った可能性もある。元々彼女とは相性が悪かったのだ。
 性格の不一致等ではない。
 むしろある一点では二人は同じであった。
 故に相手の存在を認められない。

「【燈火】の手に落ちてさえいなければどうでもいいけど。宿木の話さえなかったらむしろやっかい払いなのに」

 宿木から聞いた情報を読み取る炎術の使い手が【燈火】に本当にいるのなら、やっかいな事になる。
 せっかく、新しい隠れ家や定時集合の場所の変更も意味をなさなくなる。

「ちっ」

 レザーのジャケットのポケットに引っ掛けていたサングラスをかけて彼女は歩き出した。






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