DF−DarkFlame−-第四章-−13page






「め、恵っ。やめて、やめてよっ」
「やめる? どうして?」

 そろそろ頃合か。弱らせすぎては取り込む意味がない。

 頭で計算をしながら恵は智子に向き直った。

「どうしてって。決まってるじゃない。あいつは私の従兄で、そして…。あんたも知っているじゃない、私の気持ち。話した事あるでしょ」
「ああ、そうね。言われてみれば確かに記憶にはあるわね」

 まるで他人のような言葉。
 もう、智子の知っている恵はいないのか。

「心配しなくていいわよ。あなた達は一つになれるの」
「…え?」
「私の中でね」

 全てがうまくいっている。
 そう確信したとき。
 恵の表情が凍りついた






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