DF−DarkFlame−-第四章-−8page






 暗がりのなか、学校の塀伝いに健太郎は歩いていた。
 一度、学校外へ出て時間を無為に潰していたのだ。
 どうせ、校内にいても追い出される。
 それに、周囲の状況も確認出来る。
 【燈火】のDFの炎気は18時を過ぎる少し前に全て消えていた。
 本当に全員去ったのかは分からないが、とにかく恵には健太郎一人と思わせればそれでいいのだ。
 先の街灯の下、何度か見かけたレザーのジャケットとズボンの女性がいる。
 なぜか分かる。炎気が漏れていないのに彼女がDFである事を。
 そして、彼女も健太郎の炎気を察知している事も分かっている。
 だけど、お互い何もなく、目すらあわせずすれ違った。
 恐らくは【紅】。だけどどうでもいい。
 もう【燈火】も【紅】もない。
 敵はたった一人だ。
 校門にたどり着く。
 通用口は当然しまっている。
 閉じられた門をよじ登り敷地内へ入った。






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