DF−DarkFlame−-第四章-−11page
何か重いものが地面に叩きつけられる音で健太郎は我に返った。
リボンの指示通り0時の学校にいる。
だが、場所の指定がなかったので校舎前で立ち尽くしていたのだが。
音の方を見ると花壇に落下したようだ。
黒い炎にやかれボロボロと崩れながらもそれが辛うじて中年の男性だと識別できた。
恐らくはこの学校の警備員だろう。
智子でなくて安心の一息をついて、次の瞬間そんな自分に嫌悪した。
偽善でも良い。それでもトモコを守らなきゃ
そんな内なる声に導かれるように、校舎出入り口の錠を炎術で破壊した。
先ほどの死体と同じ炎気を屋上から感じる。
階段を踏みしめながら智子の記憶を確かめる。
いつも一緒にいてくれた彼女。
いつも自分の世話を焼いている彼女。
数ヶ月前、目覚めた時、目にしたのが彼女の泣き顔だった。
屋上の扉を前に立ち止まる。
錠前はすでに破壊されている。
トモコは殺させない。──もう二度と
勢いをつけて鉄扉を開いた。
© 2013 覚書(赤砂多菜) All right reserved