カミキリバサミ−7page
街に戻った誠だが、さてこれからどうしたものかと途方にくれていた。
木刀はとりあえず、台所にあった風呂敷で包んできた。
それでも外観と布地の薄さもあって木刀だとわかってしまうのだが、それでもそのまま持ち歩くよりはマシだと妥協した。
「千里は通学路から寄り道、あのコはこの街の路地で襲われた」
共通点が見当たらない。
いや、そもそもカミキリバサミの噂には出現する場所に関する内容がない。
極端に言えば、隣の県に現れても不思議ではない。
「待て待て、落ち着け俺。二人の共通点ならあったぞ」
二人とも噂を知っていた。
それも湊というコは最近流行りだしたと言っていた。
全国的に一斉に流行り出すような噂?
どっちかというと、ごく一部で広まったもののように思える。
だが、それでも細かい場所までは絞れない。
「結局、人が多くて、かつ人にみられずに犯行が行える場所が多いところ」
この街にはそういった場所はいくつかある。
金髪達や、カラーギャングのたまり場になっている所もある。
「とりあえず、完全に日がくれるまでにポイントを洗い出しておかないとな」
空を見ると、赤く焼けていた。
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